採用難はなぜ起きる?原因・リスクと今日から始められる8つの対策
2026.09.01
「求人を出しても応募が来ない」
「内定を出しても辞退される」
「せっかく採用してもすぐ辞めてしまう」
多くの企業の人事・採用担当者が、こうした悩みを抱えています。
採用難は一時的な景気変動ではなく、少子高齢化という構造的な要因を背景にした、今後も続くことが想定される課題です。
この記事では、採用難が起こる背景と原因を整理したうえで、自社の採用力を診断するチェックリスト、そして明日から実践できる具体的な対策までを解説します。
採用難とは?企業が直面する採用市場の現状
採用難とは、企業が求める人材を計画通りに採用できない状態が慢性化している状況を指します。
単に「応募が少ない」というだけでなく、応募はあっても自社が求めるスキル・経験・人物像とマッチしない、内定を出しても他社に流れてしまう、といった状態も含みます。
最新の採用市場データで見る採用難の深刻度
厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」によると、令和8年(2026年)3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍、令和7年度平均でも1.20倍と、高水準で推移しています。
求職者1人に対して1件以上の求人がある状態が続いており、企業側にとっては人材獲得競争が激しい環境が常態化しています。
さらに帝国データバンクが2026年4月に実施した「人手不足に対する企業の動向調査」では、正社員の人手不足を感じている企業の割合は50.6%、非正社員では28.3%にのぼりました。
正社員の人手不足割合は4月として4年連続で5割を超えており、業種別では情報サービスや運輸・倉庫など7業種で6割以上の企業が人手不足を感じています。
もっとも、業界によって採用難の深刻度や原因は異なります。
情報サービス業ではAI・DX関連の案件増加に伴いスキルの合う人材の争奪戦が激化し、建設・運輸業では人手不足を理由に案件を受注できないという声も上がっています。
自社の業種特有の事情を理解したうえで対策を検討することが重要です。
参考≫≫
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html)」 ※1
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)(https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260519-laborshortage202604/)」 ※2
採用難が企業にもたらすリスク
採用がうまくいかない状態を放置すると、組織全体に以下のような影響を及ぼすリスクがあります。
事業の停滞・成長機会の損失
採用難で必要な人員が確保できなければ、新規事業への着手や既存事業の拡大が計画通りに進みません。
人手が足りないことで受注できたはずの案件を断らざるを得なくなれば機会損失にもつながります。
このような状況が続けば売上が低下し、事業活動が停滞し、成長機会の損失につながります。
従業員の負担増と離職率の増加
必要な人材が足りないと、欠員を既存社員でカバーする状況が続きます。
これにより、一人当たりの業務量が増加し、業務過多による体調不良や長時間労働の慢性化を招きます。
体調不良や業務負担の大きさに耐えられなくなった従業員が一人離職すれば、連鎖的に従業員が流出する「負のスパイラル」に陥りかねません。
採用・育成コスト増
採用が難航すると求人広告費や人材紹介料がかさみ、採用コストが嵩んでしまいます。
また、なかなか採用できないことに焦りを感じ、基準を下げて採用を行うと、ミスマッチが起きるリスクが高まります。
ミスマッチな人材を採用すると早期離職につながりやすく、採用・育成にかけたコストが回収できないまま人材が流出する悪循環が起こる恐れがあります。
採用難が起こる原因

採用難の背景には、企業側だけでは解決できない構造的な要因と、自社の取り組みで改善できる要因の両方があります。
少子高齢化による労働人口減少
少子高齢化による生産年齢人口(15〜64歳)の減少は、採用難の最も根本的な構造要因です。
労働力の絶対数が減っているため、これまでと同じ採用手法を続けているだけでは、応募者数が先細りしていくのは避けられません。
この傾向は今後さらに進行することが見込まれており、企業間の人材獲得競争は長期的に激化していく前提で採用戦略を立てる必要があります。
新卒採用だけに依存した従来型の採用モデルでは、母集団そのものが縮小する恐れがあります。
そのため、シニア人材や外国人材、副業・兼業人材など、採用対象を広げる発想が今後ますます重要になります。
求職者の価値観の多様化
近年、求職者の価値観は多様化しています。
従来の給与や安定性はもちろん、働きがいやワークライフバランス、リモートワークの可否、企業の社会的姿勢など、仕事や職場を選ぶ際に重視する軸は人によって様々です。
画一的な条件を提示するだけでは、多様なニーズを持つ求職者に響きにくくなっています。
特に若手層では、キャリア形成の自由度や成長実感、心理的安全性の高い職場環境を重視する傾向が強まっています。
企業側が「うちは給与も休日数も業界水準並みだから問題ない」と考えていても、求職者が実際に見ているのはそれ以外の要素であるケースもあります。
そのため、この認識のズレによって、待遇面を訴求するだけでは自社の魅力が十分に伝わらないという事態が起こりやすくなっています。
労働市場の変化と採用手法の多様化
転職が珍しいことではなくなり、求人媒体・SNS採用・リファラル採用・ダイレクトリクルーティングなど採用チャネルも多様化しました。
転職する際、求職者は複数のチャネルを比較検討するため、従来のような求人広告一辺倒の採用手法では競合に埋もれてしまい、求職者の目に留まりません。
かつては求人媒体に掲載すれば一定数の応募が集まる時代でした。
現在は求職者側が企業を探すだけでなく、企業側が求職者に直接アプローチする「攻めの採用」が主流になりつつあります。
こうした手法の変化に対応できていない企業ほど、応募数の減少という形で採用難の影響を強く受けやすい傾向にあります。
自社の採用力の問題

自社の魅力が求職者に届いていない、選考スピードが遅い、面接官によって評価基準がバラつく…
これらの自社の採用力の低さも、採用難を助長する大きな要因です。
市場環境を嘆くのではなく前に、自社の採用プロセスに改善余地がないか点検する必要があります。
採用のミスマッチ
自社の求める人物像やスキルと合わない人材を採用してしまうと、入社後に早期離職が起きやすくなるだけでなく、周囲の社員のモチベーション低下や業務負荷増を招き、連鎖的な退職(連鎖退職)につながることもあります。
問題は、こうしたミスマッチが起きても、その原因を振り返らないまま次の採用活動に着手してしまう企業が多いことです。
「なぜこの人材を採用したのか」「選考基準や評価プロセスのどこに見極めの甘さがあったのか」を検証しないまま同じやり方で採用を繰り返すと、再び同様のミスマッチが発生し、早期離職・連鎖退職が繰り返されます。
採用課題の振り返りや改善に着手することなく、漫然と同じ採用活動を続けることは採用難を慢性化・長期化させる大きな要因の一つになり得ます。
自社の現状チェックリスト
対策を検討する前に、まず自社の採用状況を数値で把握しましょう。
以下の項目を確認することで、どの工程に課題があるのかが見えてきます。
- 応募数:求人媒体・チャネルごとの応募数は十分か、減少傾向にないか
- 書類通過率・面接参加率:書類選考で落としすぎていないか、面接の日程調整がボトルネックになっていないか
- 面接辞退率・内定辞退率:選考途中で離脱される割合が高くないか、内定から入社までの期間に不安要素はないか
- 3年以内離職率:入社後早期に離職する社員の割合は業界平均と比べて高くないか
- 待遇・労働環境:給与・福利厚生・労働時間などが競合他社と比較して見劣りしていないか
なお、厚生労働省の調査では、令和4年3月卒業の新規大卒就職者の3年以内離職率は33.8%、新規高卒就職者は37.9%となっています。
業種によって異なりますが、宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業などの一部業種では半数以上という高い水準となっています。
これらの数値が業界平均や過去の自社実績と比べて悪化している場合、その工程に採用難の原因が潜んでいる可能性が高いといえます。
参考≫≫厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します
(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html)」※3
採用難を打開するための8つの対策

自社の課題が見えてきたら、具体的な対策に着手しましょう。
1.労働条件・待遇の見直し
給与水準や休日数、福利厚生を競合他社や業界水準と比較し、見劣りしている部分がないか確認します。
給与テーブルの改定が難しい場合でも、資格手当や住宅手当など、部分的な待遇改善から着手できる場合があります。
見直しの際は、金額だけでなく、賞与・昇給の実績や残業時間、有給取得率といった「働いてみないと分からない条件」まで開示することも重要です。
近年は求人サイトや企業口コミサイトで実態が可視化されやすくなっています。
実態と乖離した好条件の提示はかえって信頼を損ない、内定辞退や早期離職の一因になりかねません。
2.多様な働き方に対応した環境整備
リモートワーク、フレックスタイム、時短勤務など、多様な働き方に対応した労働環境整備も重要です。
多様な働き方に対応できるように整えることで、育児・介護と両立したい層など、これまで応募をあきらめていた層にもアプローチでき、母集団を広げやすくなります。
制度を導入するだけでなく、実際に社員が利用しやすい風土になっているかどうかも重要です。
前述のとおり、近年はSNSや口コミサイトなどで求職者が企業の実態を知る機会も増えました。
そのため、「制度はあるが誰も使っていない」という状態で制度をアピールしても、求職者に見透かされる恐れがあります。
既存社員の利用実績やロールモデルとなる社員の声を採用ページや面接の場で具体的に伝えられるようにしておくと、説得力が高まります。
3.採用ブランディングで自社の魅力を伝える
採用ブランディングで企業理念や職場の雰囲気、社員の声などを積極的に発信し、「ここで働きたい」と思ってもらえる魅力づけも重要です。
採用サイトやSNSなどで社員インタビューなどのコンテンツ発信をすることは中長期的な採用力向上につながります。
なお、採用ブランディングは即効性のある施策ではなく、継続的な発信によって少しずつ認知と信頼を積み上げていくものです。
特別なエピソードがない場合も、従業員の1日の業務の様子や社員同士のコミュニケーションなど、等身大の情報を発信し続けると良いでしょう。
これにより、求職者が入社後のイメージを形成しやすくなるだけでなく、採用のミスマッチ防止にも効果を的です。
4.採用ターゲットを拡大する

未経験者を受け入れて自社で育成する前提にターゲットを切り替えるのも有効な選択肢です。
このとき、新卒・第二新卒に限定せず、経験者採用、シニア人材、外国人材、副業・業務委託人材など、採用ターゲットの枠を広げることで母集団を広げることができます。
採用ターゲットを広げる場合、単に応募条件を緩和するだけだとミスマッチが起きやすくなります。
そのため、応募条件を緩和する際は受け入れ後の教育体制やフォロー体制もあわせて整備することが必須です。
特に、外国人材やシニア人材の採用では受け入れ後のトラブルが起きやすくなります。
就労ビザなどの外国人就労制度の対応や、既存社員とのコミュニケーション面でのサポート体制を整えてしておくことで受け入れ後のトラブル防止につながります。
5.複数の採用手法を組み合わせる
近年は求人媒体への掲載だけでなく、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用(従業員紹介)、SNS採用、人材紹介など採用手法が多様化しています。
従来の求人媒体への掲載だけに依存していると、自社の求人情報が埋もれてしまったり、ターゲット層に届かなかったりする可能性があります。
職種やポジションごとに相性の良いチャネルを見極め、自社に適した採用手法を選択すれば、ターゲット層の目に触れる機会が増えます。
また、採用手法はひとつに絞るのではなく、複数組み合わせることでチャネルごとの弱みを補完できます。
たとえば専門性の高いポジションはダイレクトリクルーティングや人材紹介、若手層はSNS採用、社風とのマッチ度を重視したい場合はリファラル採用が向いています。
採用したい人物像に応じて使い分けることで、限られた採用リソースを効率的に配分できます。
6.採用プロセスの見直し

応募から内定までのリードタイムが長いと、選考辞退が起きやすくなります。
面接回数の削減、日程調整の迅速化、選考結果連絡のスピードアップなど、プロセス全体をスリム化することも重要です。
ただし、選考を早めることだけが選考辞退防止の答えではありません。
スピードを優先するあまり、候補者と自社が互いを理解する機会が不足すると、内定辞退や入社後のミスマッチにつながることもあります。
たとえば選考前にカジュアル面談を実施し、求職者の疑問や不安を解消する機会を設けることで、相互理解が深まり、志望度が高い状態で応募してもらいやすくなります。
こうすることで、母集団の質が向上し、選考辞退や内定辞退の防止につながります。
選考後の連絡の際も、選考結果だけでなくフィードバックを丁寧に伝えたりすることで、選考結果に納得感が生まれやすくなるため、内定辞退防止につながります。
スピードと相互理解どちらか一方に偏るのではなく、両方を意識してプロセスを設計することが重要です。
7.インターンシップの導入
新卒採用ならインターンシップ制度の導入も有効です。
インターンシップを通じて選考前に自社の業務や社風を体験してもらうことで、求職者側が「入社後にどう働くか」を具体的にイメージしやすくなり、ミスマッチを減らせます。
なお、インターンシップには短期型と長期型がありますが、長期型で実務に近い体験をしてもらうことで、企業側も就業前に候補者の適性や働きぶりを見極める機会になります。
知名度が乏しい企業の場合、学生や求職者との早期の接点づくりとしても有効です。
8.採用ミスマッチを減らす
書類と面接といった選考フローはあくまで候補者の自己申告に頼って選考することになります。
そのため、経歴詐称や誇張、実態との乖離に気づきにくく、ミスマッチが起きる恐れがあります。
ミスマッチを減らすためには、構造化面接などを導入し、面接官ごとの評価基準のブレを減らしたり、経歴・スキルの事実確認を行う仕組みを取り入れたりすることも有効です。
面接だけでは見えにくい経歴やスキル、実際の勤務実態を正確に把握するには、バックグラウンドチェックの活用も有効な選択肢の一つです。
これについては「バックグラウンドチェックで防げること」項にて後述します。
採用難改善に取り組む際のポイント

採用難改善策を実行する際に、意識しておきたい視点を紹介します。
「応募を増やせば解決する」と思うなかれ
応募数を増やすことだけに注力すると、選考の質が下がり、結果的にミスマッチや早期離職を招くことがあります。
応募数を増やす取り組みと同時に、採用力を上げ、ミスマッチを減らす取り組みも行いましょう。
また、採用KPIを設計する際は、「応募数」だけを追うのではなく、「応募数×書類通過率×内定承諾率×定着率」という一連の流れ全体で捉えることが重要です。
応募数が増えても、その先の各段階で歩留まりが悪化していれば、結果として採用できる人数もその質も改善しません。
どの工程で人材が離脱しているのかを定期的に確認する体制を持つことが、量に頼らない採用改善の第一歩になります。
求職者との接点を増やす
会社説明会やカジュアル面談、SNSでの情報発信など、選考に入る前段階で求職者との接点を増やすことで、自社を知ってもらう機会自体を増やせます。
いきなり「応募」というハードルの高い行動を求めるのではなく、応募前に気軽に情報交換ができる場を用意することで、これまで転職潜在層として動いていなかった求職者にもアプローチできます。
また、求職者は自社への理解を深めたうえで応募しやすくなるため、ミスマッチの軽減にもつながります。
企業側も求職者との関係構築ができるだけでなく、求職者のニーズや労働環境整備のヒントを掴むことができるため、母集団の質・量だけでなく、採用力向上にもつながります。
面接官の属人化を減らし、採用力を上げる
面接官によって評価基準がバラつくと、優秀な人材を見逃したり、逆にミスマッチな人材を通過させてしまったりします。
評価基準の標準化や面接官トレーニングは、採用の質を底上げする効果的な施策です。
具体的には、質問項目や評価シートをあらかじめ統一する構造化面接の導入や、面接官同士で評価結果をすり合わせる場を設けることが有効です。
属人的な選考から脱却することで、評価のブレを抑え、誰が面接を担当しても一定の見極め精度を担保できる体制を構築します。
内定者フォローで内定辞退を減らす
内定から入社までの期間が空くと、不安が募り、内定辞退につながりやすくなります。
そのため、内定後の定期的な連絡や懇親会、先輩社員との面談機会を設けるなど、入社への不安を解消する工夫が有効です。
新卒採用のように内定から入社まで数か月〜1年近く空くケースでは、内定者専用のSNSグループやメールマガジンなどで定期的に会社の情報を届け続けることも効果的です。
中途採用の場合、内定通知後に配属予定部署の上司や同僚との顔合わせや食事会などの接点を設けることで、自社で働く姿をイメージしやすくなるため、内定辞退防止につながります。
オンボーディングの強化で定着率を高める
採用後であっても、入社後のサポートが不十分だと早期離職につながります。
入社後のオンボーディングプログラムを整備し、新入社員が孤立せず、組織に馴染みやすくなる体制をつくることが重要です。
このとき、業務マニュアルの整備だけでなく、メンター制度や1on1面談を通じて、新入社員が抱える不安や疑問を早期にキャッチできる仕組みを持つことが重要です。
特に入社後1〜3か月は離職リスクが高まりやすい時期といわれています。
この期間に重点的なフォローを行うことで、早期離職を防ぎやすくなります。
データを蓄積し、改善を繰り返す
採用は一度の施策で完結するものではありません。
応募数・通過率・定着率などのデータを継続的に蓄積し、PDCAを回しながら改善を続ける姿勢が、中長期的な採用力向上につながります。
離職が発生した際は、退職者へのヒアリングやアンケートを通じて「なぜミスマッチが起きたのか」「選考時にどこを見極めきれなかったのか」を振り返り、次の採用選考にフィードバックすることが欠かせません。
この振り返りを怠ると、同じ採用基準・同じ選考プロセスのまま採用を繰り返してしまい、ミスマッチと早期離職が再発するループから抜け出せなくなります。
バックグラウンドチェックでミスマッチを防ぐ

ここまで見てきたように、採用難が深刻化する局面では「とにかく採用数を確保したい」と焦りから選考基準が緩んでしまう傾向があります。
その結果、入社後のミスマッチや早期離職の形で採用難が悪化するという悪循環が起こる恐れがあります。
なぜミスマッチが起きるのか
面接や書類選考だけでは、応募者が申告する経歴・保有資格・職務経歴の正確性を完全には確認できません。
故意に経歴詐称をしたわけでなくとも、記憶違いや本人の思い込み、実態との相違から、入社後に「聞いていた話と違う」というギャップを生むことがあります。
特に採用を急いでいる局面では、こうした実態の確認や深堀が後回しになる傾向があります。
バックグラウンドチェックで防げること
バックグラウンドチェックとは、応募者の職歴・学歴・資格・犯罪歴の有無などを、本人の同意のもとで第三者機関が確認するサービスです。
バックグラウンドチェックを導入することで、以下のようなリスクを事前に把握できます。
- 職務経歴・学歴の虚偽申告
- 保有資格の実態との相違
- 重大なコンプライアンス上の懸念事項
選考段階でこれらの事実確認を行うことで、入社後に発覚するトラブルやミスマッチを未然に防ぎ、結果的に早期離職率の低減につながります。
特に管理職・経理財務・与信管理など、信頼性が重視されるポジションの採用では有効性が高い手法です。
バックグラウンドチェックを選考プロセスに組み込むことで、応募数を増やしながら、採用の見極め精度を高めることができるため、採用の量と質を両立することができます。
これは採用難時代における持続可能な採用戦略として有効です。
よくある質問(FAQ)
ここからは採用難に関するよくある質問をご紹介します。
Q. 採用難はいつまで続きますか?
採用難の根本要因である少子高齢化・生産年齢人口の減少は今後も続くと見込まれており、解消される見通しは立っていません。
また、採用力が乏しい状態が続けば、労働市場に明るい兆しが見えたとしても、欲しい人材を採用できない状態は続く恐れがあります。
企業側は「採用難は一時的なもの」「いずれ改善する」と考えるのではなく、「構造的に続く前提」で採用戦略を組み立てる必要があります。
Q. 中小企業でもできる採用難対策はありますか?
大企業のような大規模な採用予算をかけなくても、リファラル採用の強化、SNSでの情報発信、選考スピードの改善、インターンシップの導入など、コストを抑えて実行できる施策は多数あります。
まずは自社のチェックリストで課題箇所を特定し、優先順位をつけて着手することが重要です。
Q. 採用難と人手不足の違いは何ですか?
人手不足は「現在必要な人員が足りていない状態」を指すのに対し、採用難は「求める人材を採用できない状態」を指します。
前者は業務増加や従業員の離職でも起こりますが、後者は労働市場における構造的な課題を表す言葉として使われます。
Q. 採用ミスマッチを防ぐにはどうすればよいですか?
採用ミスマッチを防ぐには以下のような手法が有効です。
- 構造化面接などを導入し、面接官の評価ブレをなくす
- インターンシップやカジュアル面談で相互理解を深める
- リファレンスチェックやバックグラウンドチェックで経歴の正確性を確認する
複数の手段を組み合わせることで見極めの精度が高まります。
Q. バックグラウンドチェックは法律上問題ありませんか?
適切な手続きに則って実施すれば法的に問題のない手法です。
実施にあたっては、必ず本人の同意を得たうえで、個人情報保護法をはじめとする関連法令を遵守し、取得する情報の範囲や利用目的を適切に説明することが重要です。
信頼できる専門業者に相談・依頼して進めることをおすすめします。
まとめ
採用難は、少子高齢化という構造的な要因を背景に、今後も続いていく経営課題です。
市場環境を嘆くだけでなく、自社の採用プロセス・待遇・ブランディングを点検し、打てる対策から着実に実行していくことが求められます。
また、採用難の局面では「採用基準を下げたことによるミスマッチと早期離職」も起きやすくなります。
この悪循環を断ち切るためには、応募数を増やす努力と並行してバックグラウンドチェックなどの選考精度を高める取り組みも欠かせません。
まずは自社の採用課題を振り返り、本記事でご紹介した対策を試してみましょう。
採用プロセスにバックグラウンドチェックを組み込みたいとお考えの方は、ぜひ弊社のサービス「レキシル」をご検討ください。
※1 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」
※2 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」
※3 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」
