認可保育所で虐待が横行?!泣き叫ぶ園児の体を床に押しつけ…
2021.05.12
事件の概要
埼玉県加須市の認可保育所で「両生類のハイハイ」と呼ばれるリズム遊びを指導する際、女性保育士が園児の身体を床に押し付けていたとみられる動画がテレビ番組、新聞等で報道されました。
問題となっている動画は2019年5月に撮影されたもの。泣き叫ぶ園児の身体を女性保育士が肘で床に押し付けている様子が映っていたそうです。
「両生類のハイハイ」は乳幼児向けのリズム遊びで、手足の親指の発達や脳の活性化に役立つとされていますが、問題はやり方です。
読売新聞では、「股関節などの脱臼を起こしかねず、危険」という小児科医の指摘とともに報じています。
この保育所は2019年5、6月に臨時監査を実施しています。
当時、主任保育士による虐待が疑われる行為や市の委託費などで用意すべき土曜保育の給食を提供していなかったことなど様々な問題が判明したしたことから、主任保育士や理事長兼園長が退職していました。
加須市の大橋市長によると、問題となった動画は臨時監査前のものであり、「現在は動画のような保育指導を行っていない」という説明を保育所から受けているとのことです。
動画に映っていた男子園児の祖父は「なぜ監査に入っているのに、今回の問題がわからなかったのか」と不信感をあらわにしているそうです。
保育士による虐待は表面化しにくい
保育士による虐待は表面化しにくい傾向があります。今回の事例は氷山の一角にすぎません。
親と保育士が顔を合わせるのはお見送りとお迎えのわずかな時間のみになります。虐待行為を行う保育士も保護者の前では愛想よく振る舞うため、虐待に気づけず、表面化しにくい現状があります。
特に園長やトップの保育士が虐待を行っている場合、それに従える保育士だけが残り、疑問を持った保育士が辞めていくため、組織の改善は難しくなります。
一方、保育士による虐待を疑ったとしても、親としては認可保育所から転園しにくい事情もあります。
保活を行い、やっと入れた認可保育所。「『虐待かも?』と思っても言い出しにくい」という親御さんもいるかもしれません。
このように、保育士による虐待は表面化しにくく、改善されにくいという問題があるのです。
保育士による虐待の原因
待機児童問題が社会問題として認知されてからずいぶん経ちますが、一向に改善される様子はありません。
待機児童問題が解消しない原因の一つに「保育士不足」があります。
保育士が少ないことで一人当たりの仕事量が増え、休みが取れず、ストレスが溜まり、その矛先が子供に向けられるのです。
社会生活にストレスは付き物。しかし、ストレスは適切な方法で処理すべきです。
どのような理由があったとしても、子供を虐待することは許されません。
入社後に想定されるリスク
溜まったストレスを適切に処理できないということから、上記のような保育士はストレス耐性に弱い人物であることが伺えます。
虐待を行った保育士が保育所を辞め、一般企業に再就職することもあるでしょう。
このような応募者を採用した場合、ストレスが溜まることで休職を繰り返したり、他の社員に対してハラスメント行為を行ったりする可能性も否定できません。
従業員が休職したり、他の社員に対してハラスメント行為を行ったりした場合、以下のようなリスクが想定されます。
・社員のモチベーション低下
・作業効率の悪化
・退職連鎖(人的損失)
・社員の自殺
・ハラスメント被害者から損害賠償を請求される など
また、ストレスが溜まり、従業員が犯罪行為を行った場合は以下のようなリスクが想定されます。
・苦情やクレームなどの電話対応に追われ、通常の業務ができなくなる
・売り上げが減少する
・風評被害が発生する
・閉店や契約解除に追い込まれる
・上場企業の場合は株価が下落 など
このように、トラブルを起こしかねない応募者の入社は会社経営にとって大きなリスクにつながりかねません。
レキシルを活用するメリット
レキシルはWebの専門手法を活用し、SNSや各種ニュースサイト、データベースなどを調査することで、履歴書や面接だけではわからない応募者の情報や性格、素行などを評価・報告します。
通常の採用基準にレキシルをプラスすることで、トラブルを起こしかねない応募者の入社を防ぎ、採用リスクを回避しやすくなります。
まとめ
保育士による虐待行為は表面化しにくい現状があります。
事件化されず、解雇されることもなければ、虐待を行った保育士の経歴には傷がつきません。そのため、面接や履歴書だけでは、上記のような応募者の入社を防ぐことができません。
待機児童問題が解消される見通しは立っていません。採用基準に新たな判断軸を加え、リスクを回避することが重要です。