レピュテーションリスクとは?原因と予防策、顕在化した時の対処法
2025.02.17

レピュテーションリスクとは、企業に対するネガティブな情報や評判によってイメージや信用が毀損する企業リスクを言います。
レピュテーションリスクは信用リスクや戦略リスク、市場リスクと並び、企業や組織が直面する主なリスクのひとつです。
近年、コンプライアンス遵守の意識の高まりやインターネット・SNSの普及によりネガティブ情報が拡散されやすくなったことで、レピュテーションリスクへの対応の必要性が高まっています。
この記事を最後まで読むことで以下のことがわかります。
- レピュテーションリスクとは何か
- オペレーショナルリスクとレピュテーションリスクの違い
- レピュテーションリスクが発生する原因
- レピュテーションリスクが企業に及ぼす影響
- レピュテーションリスクの予防策
- レピュテーションリスクが顕在化したときの対処法
レピュテーションリスクとは
レピュテーション(reputation)とは日本語で「評判」や「評価」、「信用」という意味があります。
企業におけるレピュテーションリスクとは、企業のネガティブな情報や評判により、企業やブランドのイメージや信用が毀損することで生じる損失リスクを言います。
コンビニエンスストアや宅配ピザチェーンなどの飲食店における従業員の不適切な言動がSNSで拡散され、風評被害や管理責任が問われた事例が有名です。
オペレーショナルリスクとレピュテーションリスクの違い
レピュテーションリスクとよく比較される言葉にオペレーショナルリスクがあります。
オペレーショナルリスクとはすべての企業における運営事業や業務に関わるリスクのことです。
オペレーショナルリスクはレピュテーションリスクだけでなく、事務処理時のミスや不正処理、コンピュータの誤動作、自然災害といった企業活動におけるリスク全般を指します。
レピュテーションリスクが注目される背景
レピュテーションリスクが注目されるようになった背景には情報の多様化や拡散力あります。
SNSやインターネットが普及したことで、誰もが情報発信をできるようになりました。
特にSNSやWebではネガティブ情報が拡散されやすい傾向があります。
拡散された情報はスクリーンショットや画像で保存できてしまいます。
そのため、一度拡散されてしまうと完全に消去することは不可能と言えます。
レピュテーションリスクが発生する原因
レピュテーションリスクが発生する主な原因は以下となります。
- 内部告発
- 不祥事・コンプライアンス違反
- 実態と評判にギャップがある
- 商品・サービスの質の低下
- 同業他社の業績悪化
- 根拠のない噂・風評被害
それぞれについて以下で解説します。
内部告発
劣悪な労働環境や不正行為、ハラスメントがある企業の場合、現役の従業員や元従業員による内部告発によって、レピュテーションリスクが生じることがあります。
よくあるケースが行政機関やメディア、監督機関に告発したり、SNSで拡散したりするものです。
不正会計やコンプライアンス違反、労働法違反などが発覚すれば、企業イメージは著しく低下します。
その結果、取引先や顧客が離れていったり、優秀な人材が集まらなくなるなど採用活動にも悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。
レピュテーションリスクを防ぐためには、労働環境の改善や不正行為をしない風土作り、監視体制の整備が大前提です。
さらに、内部通報制度を整え、従業員が報告を適切に行える仕組みを整えることも重要です。
また、内部告発は従業員や元従業員だけではなく、採用活動における候補者が書き込むケースもあります。
例えば、採用面接での進め方や質問内容が不適切な場合、候補者がSNSに書き込むことで企業の評判が低下することがあります。
求職者と接する場合は「企業のことを好きになってもらいたい」という気持ちも込めて、互いにリスペクトしながら接することが重要です。
不祥事・コンプライアンス違反

経営層や従業員の不祥事やコンプライアンス違反もレピュテーションリスクの原因になります。
経営層の場合、脱税や贈賄、横領など、従業員の場合は顧客情報の持ち出しや流出、ハラスメントなどが多いです。
銀行や証券会社といった金融機関の場合は相場操縦やインサイダー取引があります。
これらのケースは企業やブランドイメージの低下、顧客離れ、売上低下につながる恐れがあります。
個人経営の企業など、財政基盤が脆弱な場合は倒産にいたる恐れもあります。
実態と評判にギャップがある
提供するサービスや商品の実態と評判にギャップがある場合もレピュテーションリスクの原因になる場合があります。
例えば以下のようなケースです。
- クオリティの高さを謳っているにも関わらず、内容が実態に伴っていない
- 顧客の利益よりアップセルに偏りすぎている
- 顧客が期待する質・商品と乖離がある など
このような場合、顧客からの信用が落ち、不満が募り、SNSや口コミに書き込まれることでレピュテーションリスクが生じる恐れがあります。
商品・サービスの質の低下・不備
商品やサービスの質が以前より低下した場合もレピュテーションリスクが生じる恐れがあります。
例えば、以下のようなケースです。
- 高品質だったから購入していたが質が低下した。同じ値段なら別の店で買うほうが良い
- 接客やサービスが悪くなった など
ユーザーが期待していたサービスや接客、商品の提供が受けられなかった場合、「裏切られた」と感じてSNSや掲示板などに書き込めば、瞬く間に情報が拡散されてしまいます。
特に産地偽装や景品表示法違反などの違法性が指摘された場合は重大な問題に発展する恐れがあるため、注意が必要です。
同業他社の業績悪化
同業他社の業績悪化でもレピュテーションリスクが生じる恐れがあります。
同業他社が倒産や経営不振に陥った場合、業界全体が「この企業も危ないかもしれない」「斜陽産業」と判断される可能性があります。
その結果、株価や格付けの低下、求職者が集まらないといったことが起こる可能性があります。
また、同業他社が不祥事を起こしたときも「ほかも同じだろう」「この企業もやっているのではないか」とあらぬ疑いをかけられる恐れもあります。
根拠のない噂・風評被害
根拠のない噂や風評被害がSNSやネットに書き込まれて拡散するというのもレピュテーションリスクの原因のひとつです。
「買ったばかりの食品に虫が入っていた」など、商品の安全性に対する誤情報が拡散され、風評被害が起きるケースもあります。
実際に商品に問題があったかどうかは別として、情報が拡散されれば、ユーザーからの電話対応や株価に影響をおよぼす可能性もあります。
根拠のない噂を拡散するのは顧客だけでなく、従業員や元従業員が発信することもあります。
根拠のない噂や風評被害から守るためにも、日頃からクリーンな経営を心掛け、SNSや口コミサイトなどを監視し、問題が起こった際に速やかに対応できる体制を整えておきましょう。
レピュテーションリスクが企業に及ぼす影響

レピュテーションリスクが企業に及ぼす影響には以下のようなものがあります。
- 企業・ブランドイメージの悪化
- 売上・株価の低下
- 事態収束・信頼回復へのコスト増大
- 優秀な人材が集まらなくなる
- 従業員の離職
それぞれについて以下で解説します。
企業・ブランドイメージの悪化
レピュテーションリスクは顧客や取引先からの企業・ブランドイメージを悪化させます。
企業・ブランドイメージの低下は信頼性の低下にも直結する問題です。
また、一度失った信頼はなかなか戻ることはありません。顧客や取引先からの信頼を取り戻し、関係を再構築するにはコストも時間もかかります。
企業・ブランドイメージの低下の影響は長期におよぶ恐れがあるのです。
売上・株価の低下
商品やブランド、サービスの質への信頼が低下すれば、顧客離れや取引停止が生じ、売上が減少したり、融資が受けにくくなったりする恐れがあります。
また、企業やブランドのイメージ低下は新規顧客の獲得も難しくなります。
上場企業の場合、売上の低下によって格付けの低下や株価が下がるなど、経営全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
事態収束・信頼回復へのコスト増大
レピュテーションリスクが顕在化してしまうと事態収束や信頼回復のために以下のようなコストがかかります。
- 損害賠償
- 弁護士費用
- 広告宣伝費用
- コンプライアンス遵守のための専門家への報酬
- 免許停止・業務停止命令などの行政手続きによる損失 など
また、事態収束や一度度失った信頼を回復するためには費用だけでなく、時間と労力もかかってしまいます。
優秀な人材が集まらなくなる
近年、求職者は企業の口コミや評判を見て、どのような企業が知ろうとすることが増えました。
業績悪化の懸念があったり、悪評が高かったりする場合、応募先からは外す可能性があります。
採用面接での面接官の対応も非常に重要です。
面接官が不適切な対応をした場合、それを不満に感じた求職者がSNSや口コミサイトに書き込めば、求職者が応募を避けてしまう恐れがあります。
例えば、以下のようなケースがあります。
- 「彼氏はいるの?」などセクハラにも受け取れる質問があった
- 求職者からの質問には答えようとしない
- 採用の見込みがないことをあからさまに面接官が態度に出していた など
特に優秀な人材であれば買い手が多いため、一つの企業に拘る必要がありません。その結果、優秀な人材ほど集まりにくくなります。
候補者が自社以外から内定が出ていることもあります。このような場合、自社よりもレピュテーションリスクが低い企業を選ぶこともあります。
従業員の離職
レピュテーションリスクが発生すると、従業員の仕事へのモチベーションやエンゲージメントが下がります。
その結果、「この会社で働く意味が見出せない」「こんな企業に在籍したくない」と考え、離職につながる恐れがあります。
こうなると、組織全体の生産性が低下し、事業活動がスムーズに進みにくくなります。
レピュテーションリスクの予防策

レピュテーションリスクは起こる前に予防することが重要です。
レピュテーションリスクの予防策としては以下のようなものがあります。
- 従業員に対する教育
- 監視・チェック体制の強化
- 社内規程・業務マニュアル等の整備
- レピュテーションリスク専用の保険への加入
- バックグラウンドチェックやリファレンスチェック
それぞれについて以下で解説します。
従業員に対する教育
従業員への教育はレピュテーションリスク対策において不可欠です。
このとき、全従業員に対して情報セキュリティやコンプライアンス、顧客対応に関する教育を行うことが重要です。
最近はSNSで企業の不祥事や不正行為が拡散されることが増えました。
企業・プライベート問わず、SNSの適切な使用法や機密情報の取り扱いについてしっかりと教育しましょう。
従業員ひとり一人が企業の顔であり、広報であるという意識作りを徹底することが重要です。
監視・チェック体制の強化
業に損失を与えかねない情報が出回っている状態を放置するとレピュテーションリスクが顕在化する可能性があります。
根拠のない情報や事実と異なる情報がネットやSNSに書き込まれていないか、常時チェックしましょう。
具体的には自社名や自社サービスでエゴサーチすることです。
該当する書き込みを見つけた場合、修正や削除を求め、自社のオフィシャルサイトやSNSで適切な情報を発信すると良いでしょう。
求めに応じない場合や悪質な書き込みに対しては法的措置を講じましょう。
このとき、社内での監視体制だけでは、内部圧力による不正の見逃しや監視の目が行き届かなくなる恐れがあります。
内部の監視体制以外に外部の監視機関に依頼して多方面から監視することで、監視体制がより強化されるため、おすすめです。
社内規程・業務マニュアル・危機管理マニュアル等の整備
レピュテーションリスクの原因となりうる不祥事や不正を防ぐためには社内規定や業務マニュアルを整備することが重要です。
このとき、レピュテーションリスクが顕在化した際の対応手順についてもマニュアル化しておくことと言いでしょう。
こうしておくことで、トラブルが発生した際に速やかに対応ができ、被害を最小限に抑えやすくなります。
レピュテーションリスク専用の保険への加入
最近はレピュテーションリスクが顕在化したときの損失を補償するための保険商品もあります。
例えば以下のような商品があります。
- ミュンヘン再保険
- AIG
- Steel City Re
- 東京海上日動火災保険株式会社『レピュテーションリスクを包括的に補償する保険』
- あいおいニッセイ同和損保「レピュテーショナルリスクサービス」
- 損保ジャパン「風評リスク対応費用保険」 など
レピュテーションリスク専用の保険の補償内容としては以下のようなものがあります。
- メディア対応費用(報道状況分析、会見費用
- 弁護士相談費用
- コンサルティング用
- 事故対応費用(原因調査費用、第三者委員会設置費用)
- 拡散防止費用 など
補償内容は商品によって異なります。加入を考えている保険会社に事前に確認しましょう。
バックグラウンドチェックやリファレンスチェック
従業員の教育は必須ですが、採用前に候補者が信用に値する人材かどうかを確認しておくことも重要です。
面接や書類だけでは、候補者の人柄や素の部分を判断するのは難しいと言えます。
バックグラウンドチェックやリファレンスチェックを行い、過去にトラブルを起こしていないか、SNSやWEB上に不適切な書き込みがないかをチェックすると良いでしょう。
レピュテーションリスクが顕在化したときの対処法

レピュテーションリスクが顕在したときの対処法には以下のようなものがあります。
- 危機管理マニュアルに沿って対応する
- 情報収集と事実確認・原因の把握
- 問題の改善と正しい情報の発信
- レピュテーションマネジメントを行う
- 再発防止策と法的措置
それぞれについて以下で解説します。
危機管理マニュアルに沿って対応する
レピュテーションリスクが顕在化した場合、社内全体が混乱してしまっている可能性があります。
速やかに事態を収束させるためには速やかな対応が求められます。
全従業員が落ち着いて速やかに対応できるよう、事前に危機管理マニュアルを準備しておきましょう。
レピュテーションリスクが顕在化した際は事前に準備された危機管理マニュアルに沿って行動します。
マニュアルは全従業員がアクセスできるような場所に保管し、いつでも閲覧できるようにしておきましょう。
情報収集と事実確認・原因の把握
ここからは危機管理マニュアルがない場合の対応についてご紹介します。
レピュテーションリスクを察知したら速やかに事実関係と被害状況を確認します。
そして、レピュテーションリスクが顕在化した原因を突き止めます。
初動が遅れればそれだけ損失が大きくなります。
信頼できる機関や情報元から事実関係を把握したり、第三者機関に調査を依頼したりすると良いでしょう。
問題の改善と正しい情報の発信
レピュテーションリスクが顕在化した原因が判明したら、問題の改善を行います。
また、不祥事やデマが生じたときは、正しい情報を適切な方法で公開・発信します。
公開・発信する方法には公式サイトへの掲載や記者会見といった方法があります。
放置したり、事実をもみ消したりすると後で大きな批判を浴びることになります。
情報公開の範囲や会社の責任言及については、自社だけでなく顧問弁護士や専門機関のアドバイスを受けながら対応しましょう。
レピュテーションマネジメントを行う
レピュテーションマネジメントとは、名前のとおり、レピュテーションを管理することです。自社の評判を高めたり、風評被害を抑えたりする取り組みの総称です。
レピュテーションマネジメントで管理するのはステークホルダーからの評判です。
ステークホルダーとは利害関係者を指します。
企業においては、経営活動を行ううえで直接的または間接的に影響を受ける利害関係者になります。
レピュテーションマネジメントの対象となるステークホルダーの例としては以下があります。
- 消費者や取引先
- 従業員
- ユーザーへの影響力が高いインフルエンサー
- 株主
- 行政機関
- 金融機関
- 自治体
- 所属団体
- 政府
- 債権者 など
レピュテーションマネジメントは攻めと守りの両面で対応することが重要です。
それぞれについて以下で解説します。
攻めのレピュテーションマネジメント
攻めのレピュテーションマネジメントとは良いイメージの企業がそのイメージを維持・向上させることです。
攻めのレピュテーションマネジメントは「平常時のレピュテーションマネジメント」と呼ばれることもあります。
自社のイメージの維持・向上の手法としては以下のようなものがあります。
- 広報活動
- CSR活動
- ブランディング
- 社内広報 など
守りのレピュテーションマネジメント
守りのレピュテーションマネジメントは不祥事や不正、風評被害によって低下した信頼を取り戻すための対応を言います。
守りのレピュテーションマネジメントは「緊急時のレピュテーションマネジメント」とも呼ばれます。
具体的には以下のような手法があります。
- 情報公開や謝罪会見
- 不祥事の際の会見
- レピュテーションリスクが生じる恐れがある商品やサービスについて事前に公表しておく など
守りのレピュテーションマネジメントでは以下の3つのポイントが重要です。
- 迅速な対応
- 不都合な事実であっても公開する誠実さ
- 関係者全員の対応が一貫していること
レピュテーションリスクが発生するとステークホルダーが不安に感じ、取引を打ち切ったり、格付けや株価が低下したりする恐れがあります。
ステークホルダーがレピュテーションリスクを把握する前に事実と対応状況、今後の対応について直接説明しましょう。
さらに、オフィシャルサイトのIR資料にも情報を掲載し、ステークホルダーの不安を取り除くことを心不掛けましょう。
再発防止策と法的措置
レピュテーションリスクの原因を突き止め、ステークホルダーへの説明が済んだら、再発防止策を作成し、公表します。
具体的には以下のような内容を盛り込みましょう。
- 組織や制度を強化すること
- 教育の充実などの策を講じること
- 同様のミスは二度と起こさない姿勢であること
上記の内容をオフィシャルサイトのIR資料やプレスリリースにて発信すると良いでしょう
再発防止策は弁護士や専門家を含めた第三者機関を設置したうえで作成するとより効果的な対策を講じることができます。
一方、根拠のない情報をネットやSNSに書き込まれた際は書き込みの削除や名誉棄損を理由とした損害賠償請求を行うなど、法的措置を講じることも検討しましょう。
法的責任を求め、自社の正当性を示すことができますし、早期の信頼回復にもつながります。
書き込んでいる人がわからない場合はレピュテーションリスクの原因となるコンテンツや媒体の運営会社に発信者情報開示請求と削除請求を行いましょう。
レピュテーションリスクが顕在化した事例

最後にレピュテーションリスクが顕在化した事例をご紹介します。
これにより、レピュテーションリスクの予防・対策がどれだけ重要かが理解できると思います。
従業員による不適切行為
小売店や飲食店の従業員が食べ物を粗末に扱ったり、冷蔵庫や調理器具などに対して衛生状態に問題を起こしかねない行動を起こして、SNSや動画にアップし、炎上するケースがあります。
いわゆるバイトテロと呼ばれるものです。
2013年に発生した飲食店での事例では、バイト従業員が食洗器や流し台に足を入れたり、裸体に茶碗を当てた画像をSNSに投稿しました。
店側は全国からの非難の電話に対応するはめになり、ネットでも炎上が続き、閉店せざるを得なくなりました。
その後、店長が犯人の学生に対して裁判を起こし、損害賠償請求を行いましたが、請求金額の約10分の1の金額で和解することになりました。
2013年はバイトテロが頻発しており、後に「第一次バイトテロ」とも言われるようになりました。
その後、大手宅配ピザチェーンやコンビニエンスストア、飲食店などでもバイトテロについて連日報道されるようになりました。
顧客情報流出
2024年に某保険会社の元従業員が転職先での使用を目的に顧客情報を不正に持ち出した事例です。
これにより、企業は直ちに金融庁や個人情報保護委員会への報告を行うことになりました。
また、社員教育の再設定、被害者へ個別に郵送で連絡といった対応を余儀なくされました。
不祥事
2024年、某メガバンクの女性行員が貸金庫に預けられた金塊を盗んだ事例です。
同行員はこれまで契約者60人から十数億円相当の金品を盗んだとみられています。
銀行側は事件のあった2つの店舗の貸金庫利用客に対し、料金の返還をすることになりました。
返還される利用料は同行員が在籍していた期間で、窃盗被害の有無を問わず返還されることになります。
また、頭取の報酬の月額30%を3か月減額など、役員5人の処分も発表されています。
まとめ
「ネガティブな情報もそのうち沈静化するだろう」などと放置していると、瞬く間に拡散され、信用低下や経営リスクにつながる恐れがあります。
経営課題のひとつとしてしっかり対策しておきましょう。
なお、レピュテーションリスクを防ぐためには従業員への教育が不可欠になります。
しかし、従業員の人柄やプライベートな側面は企業からは見えにくく、教育しても変わらないケースもあります。
採用活動を行う際は、事前にバックグラウンドチェックやリファレンスチェックを行い、候補者が信用に値する人物かどうかをチェックすることが重要です。
バックグラウンドチェックはSNSやWeb、データベース上の情報から経歴に虚偽がないか、不適切な書き込みや言動がないかなど、候補者のプライベートな側面をチェックできます。
また、リファレンスチェックチェックで勤務態度などを過去の勤務先に確認することができます。
レキシルのバックグラウンドチェックなら経験豊富な調査会社のクオリティをリーズナブルな価格でご提供いたします。
また、レキシルならリファレンスチェックも不特定多数の人から候補者情報を取得するため、公平で客観的な評価が可能です。
レピュテーションリスク対策は採用前から始まっています。ここでご紹介した内容を参考に、予防・対策していきましょう。