採用手法・課題対策

採用ミスマッチが起きる原因とは?対策と早期離職を防ぐ方法

2024.06.19

採用ミスマッチが起きる原因とは?対策と早期離職を防ぐ方法

「せっかく採用した人材が早期離職してしまった」

こんなお悩みはありませんか?

早期離職の原因の一つに採用ミスマッチがあります。採用ミスマッチが起きると早期離職だけでなく、採用コストの増加が社内パフォーマンス低下を招く恐れがあります。

この記事を読むと以下のことがわかります。ぜひ最後までお読みください。

  • 採用ミスマッチとは
  • 採用ミスマッチが及ぼす影響
  • 採用ミスマッチの原因
  • 採用ミスマッチを防ぐ方法

採用ミスマッチとは

ミスマッチとは、二つのものがうまく組み合わなかったり、釣り合わなかったりすることを言います。

採用ミスマッチとは、企業にマッチしない候補者を採用することです。例えば、仕事内容や条件、社風などが企業の実態と候補者の希望が合っていないことを言います。

採用活動では書類や面接を通じて相互理解を図ります。しかし、限られた時間や手法では互いを十分に理解することはできません。

企業側も候補者側も採用前に互いのことを100%理解するのは不可能だということを理解しておきましょう。

採用ミスマッチが及ぼす影響

採用ミスマッチによる影響としては下記のようなものがあります。

  • 内定辞退・早期離職の増加
  • 候補者が入社後に活躍できない
  • 社内のパフォーマンスが低下
  • 採用コストの損失
  • 企業イメージの悪化

内定辞退・早期離職の増加

どのような仕事内容・ポジションを任されているのか、どのような成果を期待されているのかなどについて曖昧なまま採用してしまうと、内定が出たものの、入社意欲が低下し、内定辞退につながる恐れがあります。

また、入社後に「やりたかった仕事と違う」「こんなことをやるつもりではなかった」などの理由で早期離職を招く恐れがあります。

また、配属先は新入社員が入るたびに業務を教える必要があります。

社員の離職と入社が繰り返されると、新人教育にばかり時間が採られてしまい、通常業務に時間を割けなくなります。

既存社員の間で離職の話が出たり、教育担当の社員が「教えてもまた辞める」と考え、モチベーションが下がり、離職者が増加する可能性もあります。

社内のパフォーマンスが低下

早期離職者が増えると、業務やノウハウの引継ぎがおろそかになり、社内に蓄積されにくくなります。

結果として企業の技術力が低下し、社内のパフォーマンスが低下します。

企業のパフォーマンスが低下すると成長が鈍化しますし、優秀な人材を呼び込むことも難しくなります。

採用コストが無駄になる

採用コストが無駄になる

採用活動には莫大なコストがかかります。採用活動にかかる経費を採用コストと言います。

採用コストは内部コストと外部コストに大別できます。

内部コスト 外部コスト
・採用担当者や面接官の人件費
・電話や問い合わせ窓口の対応職員の人件費
・候補者や内定者の交通費
・懇親会や研修などの交際費
・内定者の引っ越し費用 など
・求人広告費
・人材紹介費
・採用管理システムの導入費
・説明会やセミナーの会場費
・PR動画やパンフレットなどの製作費 など

内部コストのほとんどを人件費が占めるため、早期離職や内定辞退が続くと余計なコストがかかってしまいます。

外部コストのなかで特に金額が大きいのが求人広告費と人材紹介費です。求める人材像が曖昧だったり、広告媒体や人材紹介サービスが採用ターゲットに合っていないとコストが嵩んでしまいます。

企業イメージの悪化

離職率が高くなると、「ブラック企業ではないか」などと噂されたり、企業イメージが悪くなることで優秀な人材が応募を諦めることがあります。

採用ミスマッチの原因

採用ミスマッチの原因

採用ミスマッチが起きる原因には主に以下のようなものがあります。

  • 評価基準が定まっていない
  • 候補者に企業情報を伝えきれていない
  • 入社前と入社後のギャップが大きい
  • 入社前後フォロー体制が整っていない
  • 候補者の適性やスキルを見極められていない
  • 候補者に求めるポジションやパフォーマンスを伝えていない

それぞれ、下記で詳しく解説します。

評価基準が定まっていない

評価基準が定まっていないと面接官によって評価が変わってしまいます。

その結果、評価基準がブレてしまい、自社が求める人材を確保できず、ミスマッチが起きてしまうのです。

面接官によって評価が変わらないように評価基準を定め、認識を合わせておくことが重要です。

候補者に企業情報を伝えきれていない

候補者に企業情報を十分に伝えられていないのも採用ミスマッチの原因です。

慢性的な人手不足によって売り手市場が続き、人材確保が難しくなっています。

そのため、会社説明会や面接、採用サイト上で、自社の良いところばかり伝えて、悪い点や課題などを伝えていないケースもあります。

企業側はマイナスな側面を隠したいと思うかもしれません。

しかし、入社後に候補者が初めてマイナスな部分を知れば、「こんなはずじゃなかった」などと考え、採用ミスマッチや早期離職を招くことになります。

入社前と入社後のギャップが大きい

企業情報を伝えきれていないこととも通じる問題ですが、入社前と入社後のギャップが大きいのも採用ミスマッチにつながります。

特に以下の項目については、入社前後のギャップが大きいことで早期離職につながりやすくなります。

  • 職場環境
  • 仕事内容
  • 残業時間や休日出勤の有無
  • 求められるスキル
  • 給与や福利厚生 など

企業側は採用前に求めるスキルやリアルな労働環境を伝える必要があります。

入社前後のフォロー体制が整っていない

入社前後のフォロー体制が整っていない

どれだけ優秀な人材を採用しても入社後すぐに自社の仕事をこなせるわけではありません。

研修やOJTといったアフターフォローを行うことでこなせるようになります。

特に新卒の場合は初めての社会人生活になります。

不安でいっぱいななか、アフターフォローがなければ不安を解消できず、将来に不安を覚え、早期離職につながる恐れがあります。

候補者の適性やスキルを見極められていない

候補者が企業情報を十分に理解していても、企業側が候補者を見極められなければ採用ミスマッチが起きやすくなります。

候補者は企業のことを理解したうえで入社しますので、早期離職につながる可能性は低いかもしれません。しかし、実際の業務でミスマッチが生じます。

学歴や職歴など表面的な部分だけで判断し、自社で活躍できるスキルを持ち合わせていない場合、当初予定していた業務計画を遂行できなくなります。

候補者に求めるポジションやパフォーマンスを伝えていない

同じ職種、業務内容であっても、企業側が期待しているパフォーマンスと候補者が想定している業務内容や役割にズレがあると、入社後に不満を抱いたり、モチベーションが低下する恐れがあります。

採用ミスマッチを防ぐ方法【採用前】

採用前に採用ミスマッチを防ぐ方法は以下の6つとなります。

  • 採用基準を明確にする
  • 可能な限り企業情報を開示する
  • インターンシップ・体験入社制度を導入する
  • カジュアル面談や懇親会を行う
  • リファラル採用を検討する
  • 適性検査やバックグラウンドチェック、リファレンスチェックを行う

それぞれ下記で詳しく解説します。

採用基準を明確にする

採用基準が定まっていない場合は採用基準を明確に定め、面接官による評価のズレを防ぐことが重要です。

採用面接では、質問項目や質問フロー、評価基準まで細かく定めることで、より公平な評価ができます。このような面接手法を構造化面接と言います。

可能な限り企業情報を開示する

できるだけリアルな自社の情報を開示することも重要です。

前述のとおり、採用ミスマッチの原因には入社前後のギャップや企業情報の不足があります。

いい部分だけでなく、悪い部分や課題、リアルな労働環境など、できるだけ多くの情報を開示することで入社前後のギャップを防ぎやすくなります。

インターンシップ・体験入社制度を導入する

インターンシップ・体験入社制度を導入する

インターンシップ制度や体験入社制度を導入するのも手段の一つです。

候補者が実際の業務に携わることで、入社後のイメージが明確になるため、採用ミスマッチを防ぐことにつながります。

そのほか、インターンシップ制度や体験入社制度には以下のメリットがあります。

  • 自分が配属される現場や従業員の働く姿を感じ取ることができる
  • 実際の業務を通して候補者の人材特性を見極められる
  • 企業のブランド力を候補者に具体的に伝えられる など

上記のように、インターンシップや体験入社制度は採用ミスマッチを防ぐ意味では多くのメリットがあります。

しかし、実際に導入するとなると教育係の人件費や手続きなどの時間的コストがかかります。

カジュアル面談や交流会を行う

カジュアル面談や交流会など、入社前に現場の従業員との交流を図るのも効果的です。

カジュアル面談とは選考前に候補者と従業員がカジュアルに話をし、互いについて知りたい情報を交換することを言います。

一般的な採用面接では企業側が候補者に一方的に質問します。

一方、カジュアル面談では双方が互いに質問し合うため、相互理解を深めることができます。

カジュアル面談では合否判定がないため、企業側が候補者に対してアピールするケースも多いです。

このとき、自社の強みや魅力など良い部分だけでなく、大変な部分についても伝えることで採用ミスマッチを防ぎやすくなります。

また、会社説明会や内定を出したあとに懇親会を設けるのも良いでしょう。

内定後であれば「残業時間はどれくらいか」「休みは取りやすいか」といったセンシティブな話もしやすいため、採用ミスマッチを防ぎやすくなります。

リファラル採用を検討する

リファラル採用とは従業員、または従業員の友人・知人など、信頼できる人を介した採用手法です。

採用ミスマッチの原因の一つに入社前後のギャップがあります。

リファラル採用は自社を理解している人からの紹介ですので、自社のカルチャーや労働条件にマッチした人が集まりやすく、入社前後のギャップを軽減しやすくなります。

適性検査やバックグラウンドチェック、リファレンスチェックを行う

採用ミスマッチは候補者の適性やスキルを見極められていないことでも起こります。

適性検査やバックグラウンドチェック、リファレンスチェックを行うことで、候補者が自社にマッチした人物かどうか評価することができます。

バックグラウンドチェックは候補者のスキルや職歴に詐称がないかを確認できます。

また、破産歴や反社との関わり、SNSやWEB上での言動など候補者のプライベートな側面についても確認できます。

リファレンスチェックは仕事上での候補者の様子を把握できます。

これらの手法を組み合わせることで候補者の適性をより見極めやすくなります。

採用ミスマッチを防ぐ方法【入社後】

採用ミスマッチを防ぐ方法【入社後】

入社後に定着率を上げるための施策は下記4つです。

  • オリエンテーションや研修の実施
  • メンター制度を導入する
  • 定期的に面談の機会を設ける
  • 目標を設定する・キャリアパスを明示する

それぞれ、以下で詳しく解説します。

オリエンテーションや研修の実施

入社後にいきなり業務をやらせるのではなく、まずは自社についての研修やオリエンテーションを実施しましょう。

会社のことを良く知ることで帰属意識が高まり、エンゲージメント向上につながります。

また、会社が目指す方向性や自社で働くことでどう成長できるかを知ることにより、定着率も向上します。

どのような仕事であってもつらいことはあります。離職にいたるのは「ここにいても先が見通せない」「これ以上この会社にいたくない」と考えるためです。

「今は辛いけどもこの会社で働き続けたい」と思うことができれば、離職を防ぎ、定着率を上げることにつながります。

メンター制度を導入する

メンター制度とは、先輩社員が入社者のサポートをする制度です。

入社後すぐは覚えることが多いうえ、わからないことがあっても誰に聞けばいいかわからず、不安やプレッシャーで押しつぶされそうになることがあります。

人間関係も一から築かなければならないため、誰にも悩みを相談できず、離職してしまうケースもあります。

気軽に相談できる人がいれば心強いですし、業務もスムーズに進められるため、離職率低下につながります。

定期的に面談の機会を設ける

オンボーディングの一環として、新入社員と定期的に面談の機会を設けることも有効です。

オンボーディングとは新入社員の組織への定着や戦力化を促進する取り組みです。

上司や人事担当者が新入社員の悩みや業務の内容など聞き取り、業務負担の軽減に努めたり、精神的ストレスの軽減を図ります。

定期的に実施することでコミュニケーションも活性化しますし、信頼関係の構築にもつながります。

目標を設定する・キャリアパスを明示する

新入社員が仕事内容に興味をなくしていたり、やりがいを感じられなくなっている場合、明確な目標を設定してあげましょう。

また、目の前の目標だけでなく、働き続けた結果どのようなキャリア・ポジションがあるのかを提示することで社員のモチベーションアップにつながります。

まとめ

採用ミスマッチの原因と対策について解説しました。

採用ミスマッチは企業側が情報を十分に伝えていない、候補者の適性を見極められていないなど、様々な原因で起こります。

採用ミスマッチを防ぐためにも、採用前にできるだけ自社の情報を伝えたり、採用基準を明確に定め、候補者の適性を見極めることが重要です。

ただし、書類や面接だけで候補者を見極めるには限界があります。

適性検査やバックグラウンドチェック、リファレンスチェックを併用すると良いでしょう。

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また、レキシルのリファレンスチェックは不特定多数の方から候補者の情報を公平に取得できるため、候補者のリアルな姿を見極めやすくなります。

ぜひご活用ください。