チームビルディングとは?目的と実践方法、効果を高めるポイント
2025.04.28

チームビルディングとは、組織に属するメンバーが自分のスキルや能力を最大限に発揮し、チーム全体で目標を達成するための取り組みです。
近年、多様な価値観に対応し、組織力を高めるアプローチとして、チームビルディングを導入する企業が増えています。
この記事を最後まで読むことで以下のことがわかります。
- チームビルディングとはどのようなものか
- チームビルディングとチームワークの違い
- チームビルディングの目的
- チームビルディングの導入プロセス
- チームビルディングのおすすめの手法
- チームビルディングの効果を高めるポイント
チームビルディングとは
チームビルディングは組織を開発させる手法のひとつです。
組織のメンバーがそれぞれの力を最大限に発揮し、目標を達成できるようなチーム作りをするための取り組みです。
研修やイベント、ワークショップなどが有名ですが、日常のコミュニケーションもチームビルディングの手法に含まれます。
チームビルディングにおけるチームとは
チームビルディングにおけるチームとは、同じ目標や目的に向かい、それらを達成するために個々が自分の役割を認識したうえで互いに作用しながら進捗を共有する集団のことを言います。
チームと似た言葉に「グループ」があります。
ビジネスにおけるグループは「仕事を調整する人の集まり」を指しますが、チームは「同じ目標や目的を共有している」「自分の役割を認識している」という違いがあります。
チームを形成できれば、組織全体の生産性向上が期待できます。
チームワークとの違い
チームビルディングとよく似た言葉に「チームワーク」があります。
チームビルディングとチームワークには以下の違いがあります。
- チームワーク:メンバーが連携して効率的に業務を遂行すること
- チームビルディング:人材開発も含めて組織力を最大化すること
チームワークとは、チームの目標に向けて効率的に進めるために連携・行動することを指します。
チーム内のメンバーの相互理解が深まっており、すでに構築されたチームの連携を指すことが多いです。
一方、チームビルディングはチーム内で相互理解を深め、結束力や関係性を強化し、組織力を高める取り組みです。
チームビルディングではそれぞれのメンバーが最大限に力を発揮し、組織力を最大化することが重視されます。
チームビルディングの歴史
チームビルディングはホーソン研究による組織行動論から発達した考え方と言われています。
ホーソン研究は1920年代後半から1930年代にかけて、アメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた研究です。
研究目的は労働条件や労働環境が労働者の生産性にどのような影響を与えるかを調べるというものです。
その結果、物理的な労働条件より、意識や人間関係のほうが生産性向上につながることが判明しました。
この実験が行われる前までは「労働時間」や「賃金」などの改善でしか、生産性を向上できないと考えられていました。
ホーソン研究の結果により、「組織の人間関係が生産性に影響をおよぼす」という結論が得られたことで、人間関係を重視した管理法が考えられるようになりました。
チームビルディングが注目される背景
近年、チームビルディングが注目されるようになった背景には以下のようなものがあります。
- 事業環境の変化
- マネジメント難易度の高まり
それぞれについて下記で解説します。
事業環境の変化
仕事に対する価値観の変化や働き方の多様化、グローバル化など、事業を取り巻く環境は大きく変化しています。
目まぐるしく変化する事業環境や多様な人材の集まる組織にとって、「阿吽の呼吸」や「トップダウン」といった従来の経営手法は通用しません。
年功序列や終身雇用制度も崩壊し、企業と従業員の関係性も変わりつつあります。
特に日本は労働力不足が慢性化しているため、人材確保が難しい状況です。
多様な人材のなかで組織力を高めるためにも、明確な目的のもと、チームが一丸となって取り組める組織作りが求められるようになりました。
マネジメント難易度の高まり
テクノロジーの進化やグローバル化により、個人で管理できることには限界が生じています。
また、常に顔を合わせて仕事をしていた時代と比べると、リモートワークなど働く環境が変化したことで組織内のコミュニケーションが取りにくくなっています。
環境や価値観の変化によってマネジメント難易度が高まったことで、組織力を高めるための新しい手法が求められているのです。
チームビルディングの目的と得られるメリット

チームビルディングを行う目的・導入によって得られるメリットとしては以下のようなものがあります。
- チームビジョンの浸透
- マインドセットの形成
- モチベーション向上
- リーダーの育成
- 適材適所の人材配置
- 心理的安全性の確保
- 組織のパフォーマンス向上
- メンバーの関係強化
- 社会の変化に対応しやすくなる
それぞれについて下記で解説します。
チームビジョンの浸透
チームビルディングの目的のひとつにチームビジョンの浸透があります。
組織のメンバーがそれぞれの力を最大限に活かし、目標を達成できるようなチーム作りをするための取り組みです。
できるだけ早い段階でチームビジョンを共有すれば、チームビジョンが浸透しやすくなり、個々のメンバーが自分に落とし込み、主体的に考えるようになります。
例えば、新入社員の入社時や内定者の交流会、新規プロジェクトのキックオフなどの機会にチームビルディングを導入し、チームビジョンが浸透すれば、チームの一体感を醸成しやすくなります。
チームビジョンを理解したうえで目標達成のために行動すれば、成果にもつながりやすくなります。
マインドセットの形成
ビジョンに合ったマインドセットの形成もチームビルディングの目的です。
マインドセットとは、経験や価値観に基づく固定された考え方や物事の見方を言い、無意識の思考の癖とも言えます。
人は働き続けるいつに無意識にマインドセットを形成しています。
チームビルディングを導入することで、従業員一人ひとりの考え方の癖をリセットし、組織のビジョンを達成するために必要なマインドセットを新たに形成することができます。
モチベーション向上
モチベーション向上もチームビルディング導入の目的のひとつです。
組織において、目標を達成するためには、それぞれが自分の役割を自覚し、主体的に取り組むことが重要です。
チームビルディングを導入することで、周囲から自分が必要とされていることや、自分の特性の発見につながる可能性があります。
リーダーの育成
組織内のコミュニケーションを活性化させ、現場を任せられるリーダーを育成するというのもチームビルディングの目的のひとつです。
チームビルディングには「自分に今できることは何か」「会社から何を求められているのか」ということを自ら考え、主体的に動ける人材を育成する効果が期待できます。
リーダー候補の従業員をチームのまとめ役に起用し、チームビルディングに取り組んでもらうことで、リーダーシップを身に着けてもらうことにつながります。
適材適所の人材配置
互いを知らないまま集まった状態では、組織といえども、個人プレーと何ら変わりはありません。
組織力を高め、チームとして力を発揮するためには、互いにどのような特性やスキル、価値観を持っているのかを把握する必要があります。
チームビルディングを行うことで、メンバー間のコミュニケーションが活発化すれば、互いに対する理解が深まり、適材適所の人材配置が可能になります。
心理的安全性の確保
自分の意見を主張したり、わからないことを気軽に質問できる環境というのは自然と形成されるわけではありません。
心理的安全性を確保することで、コミュニケーションが活性化され、従業員が安心して自分の意見を主張でき、多様な意見やアイデアが生まれやすくなります。
また、ちょっとした気づきや問題点も伝えやすくなるため、問題が顕在化する前に対処することも可能になります。
組織のパフォーマンス向上
チームビルディングを行うことで、メンバーの総合理解が深まり、各メンバーの知識やスキルに基づいた役割分担が可能です。
「すべての役割を一人で抱え込む」「不適切な役割分担により業務遂行に時間がかかる」といった事態を防ぎ、適切な役割分担と協働関係が促進されるようになります。
メンバーの関係強化
メンバー間のコミュニケーションが活性化し、相互理解が深まれば、チーム全体の士気が向上します。
また、多様な価値観を持つメンバーが集まることで相乗効果が得られれば、イノベーションも生まれやすくなります。
社会の変化に対応しやすくなる
事業環境が著しく変化するなか、企業は素早く対応する必要があります。
そんななか、チームビジョンが従業員に浸透していなかったり、マインドセットができていないと変化に対応するのが難しくなります。
社会の変化に速やかに対応するためにも、チームビルディングを行い、メンバーの協働体制を整えることが大切です。
チームビルディングの対象者

チームビルディングの対象となるのは管理職から若手まで、組織に属するすべての従業員になります。
それぞれの対象者別にチームビルディングを行う目的や効果について解説します。
新入社員・若手社員
新入社員や若手社員は互いのことを良く知らないケースがほとんどです。
また、知識や経験が少ないため、基本的には上司や先輩社員にわからないことを聞きながら業務を進めることになります。
チームビルディングを行うことで、メンバーとの関係性を深まれば、コミュニケーションが活性化し、成長が促されます。
組織全体が同じ目標を持つことの重要性も認識できるため、エンゲージメント向上にもつながります。
管理職・中堅社員
管理職や中堅社員はマネジメント能力やリーダーシップを身に着けることが求められます。
チームビルディングを行うことで、普段の業務とは異なるチームマネジメントや課題解決を行うことになります。
また、普段とは異なるメンバーと交流することで横のつながりができ、斬新なアイデアが生まれやすくなります。
チームビルディングの5つのプロセス

チームビルディングのプロセスの考え方としてタックマンモデルがあります。
タックマンモデルとは、心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に提唱したモデルです。
「チーム形成から様々な段階を経ることで理想の組織へ成長する」というもので、組織の成長状態について、段階的に示したものになります。
当時は4段階にわかれていましたが、1977年に1段階追加され、以下の5段階のモデルとして活用されています。
- 形成期(Forming)
- 混乱期(Storming)
- 統一期(Norming)
- 機能期(Performing)
- 散会期(Performing)
それぞれの段階について順を追って解説します。
形成期(Forming)
形成期とは、チームが新たに形成された初期段階を言います。
メンバーは互いに知り合ったばかりのため、目標の共有すらなされていません。
この時期のメンバーは不安や緊張を抱えており、相互理解も十分でなく、ぎこちなさが生じます。
それぞれのメンバーが自分の役割を理解していないため、生産性も高くありません。
この段階ではまずメンバーの相互理解を深め、信頼関係を構築することが課題になります。
リーダーはチーム目標を早期に設定し、チーム全体に共有し、目標達成に向けた動機づけを促進することが求められます。
食事会や飲み会、ゲーム、交流会などで自由な発言ができる場面を設け、相互理解を深める施策が有効です。
具体的な手法については「チームビルディングのための手法」にて後述します。
混乱期(Storming)
形成期を経ると、メンバーは互いのことを良く知り、遠慮がなくなってきます。
主張がぶつかったり、プロジェクトの進め方に対する意見が食い違ったりするなど、対立も起こりやすくなります。
この段階では各メンバーの役割が決まっており、それぞれの業務が進んでいますが、チームのまとまりは欠けている状態です。
この状態ではチームとしての相乗効果による生産性向上は見込めません。
この期間はリーダーに積極的な役割が求められます。
個々のメンバーの声に耳を傾け、意見や価値観の違いを理解し、チームの調整役を担うことが重要です。
一方、互いに意見の食い違いや衝突が生じているため、形成期のような食事会や交流会でのコミュニケーションは逆効果となる恐れがあります。
この段階では、互いが納得できるまで話し合うことが求められます。
衝突を恐れず、議論を深めることでメンバー間の認識のズレを解消していくことが重要になります。
統一期(Norming)
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この段階では、チームが自分たちのやり方を見つけ、チームで仕事をすることに慣れている状態です。
各メンバーは互いの意見を受容し、異なる意見や価値観も受け入れられる状態です。
チーム内に一体感が生まれ「私たち」「当チーム」といった表現を耳にすることも増えます。
個々のメンバーが自分の能力を発揮できており、タスクを完了させるために協力を求めたり、建設的な意見を得るようになります。
チーム全体の意識が統一される時期ですので、リーダーは組織全体の方向性を見つめ、正しい方向に進んでいるかを常に確認することが重要です。
チームの意識が統一されているからといって、正しい方向に進んでいるとは限りません。
必要に応じて適切に軌道修正を行うことが重要です。
機能期(Performing)
この段階ではチームの結束力が高まり、最大限にチームワークを発揮している状態です。
組織が有効に機能しており、成功体験を重ねていくようになります。
リーダーはこの状態をできる限り継続させることが役割になります。
この段階では個々のメンバーが自発的に動けるようになっているため、細かな指示出しは却って成長の妨げになる恐れがあります。
リーダーはメンバーのストレスが蓄積していないかをチェックし、適宜リフレッシュを促すといった後方支援が主な役割となります。
散会期(Adjourning)
散会期とは、目標達成や期間到達によってチームが解散する時期を言います。
個々のメンバーはスキルや知識を身に着け、新たな飛躍を果たす時期でもあります。
この段階ではリーダーのアドバイスなどは不要で、これまでの活動を良い形で負えるための雰囲気づくりが求められます。
一方、散会期は新たなステージを目指し、異動を希望するメンバーが現れる時期でもあります。
リーダーには、これまでの活動を振り返り、個々のメンバーの長所に対してフィードバックをしたり、労ったりといった気遣いが重要です。
こうすることで、貴重な人材を失うリスクを軽減でき、異動するメンバーが「またこのメンバーで仕事をしたい」と考え、気持ちよく次のステージに進むことができます。
チームビルディングのための手法
ここからはチームビルディングにおすすめの手法を段階別にご紹介します。
以下でご紹介する手法はほとんどが1チーム2名~5名程度にわかれて行うものになります。
形成期
チームがつくられたばかりの形成期は緊張感があり、意見を言いにくい雰囲気があります。
この時期はメンバーが相互理解を深められるよう、楽しく参加できるゲームや交流会がおすすめです。
形成期はメンバーの緊張を和らげることが重要です。
アイスブレイクを序盤に導入することで、雰囲気を和らげ、その後のメニューの効果を高めることが期待できます。
まずはアイスブレイクに適したゲームをご紹介します。
- 他己紹介:2人1組になり、相手のパーソナルを引き出し、最後にチーム全員にペアの相手を紹介するゲーム。
- 暗記紹介ゲーム:自分の順番が来るまでに自己紹介した人の特徴と名前を話してから自分の自己紹介をするゲーム。
- ヒーローインタビューゲーム:2人1組になり、ヒーローインタビュー風に質問と回答を交互に繰り返すゲーム。
次にアイスブレイク後におすすめのゲームをご紹介します。
- 以心伝心ゲーム:お題に対して全員の答えを合わせるゲーム。所要時間も10分程度、紙とペンがあればできる簡便さが魅力。
- マシュマロチャレンジ:マシュマロ、紐、マスキングテープ、乾燥パスタ、ハサミを使って、制限時間内に如何に高い自立式のタワーを建てられるかどうかを競う。
- ドミノ:制限時間内で長くドミノが倒れ続けたチームを勝ちとするもの。
- ペーパータワー:30枚程度のA4容姿を使ってどれだけ高いタワーを作れるかを競うゲーム。
混乱期
混乱期はメンバー間の意見が衝突したり、主張が対立してわだかまりが生じやすい時期です。
この時期は、チームの雰囲気を和らげ、一体感を醸成できるものがおすすめです。
- NASAゲーム:月に不時着した宇宙飛行士という設定でゲームを始める。320km離れた母船に戻るために手元の15個のアイテムに対して各自が優先順をつけ、メンバーが合意形成を行いながら優先順位を決めるもの。
- ジェスチャーゲーム:一番手が他のメンバーに見えないところで、何らかのアイテムを見せられたり、渡されたりしたあと、実物を見せずにチーム全員にジェスチャーでアイテムを表現するゲーム
- バースデーライン:チーム全員で互いに言葉を交わさず、手話やジェスチャーで誕生日順に並ぶゲーム。
- 野球のポジションあてゲーム:各メンバーにそれぞれ違う内容が書かれたカードが配布され、その情報を他のメンバーに見せないように口頭で共有し合い、回答を導くゲーム。
統一期・機能期
統一期、機能期はメンバーがまとまっており、一人ひとりが自立している時期です。
この時期はチーム全体の団結力を強めたり、底力を上げる活動がおすすめです。
業務を離れたスポーツやダンスなどのアクティビティもおすすめです。
- 条件プレゼン:数名ずつのチームにわけ、事前に決められたキーワードを盛り込んだプレゼンを考えるもの。最も面白いプレゼンをしたチームが勝ち。
- スカベンジャーハント:制限時間内に指定された被写体を撮影するゲーム。
- ヘリウムリング:チーム全員でひとつのフラフープを囲み、それぞれの人差し指にフラフープを乗せます。そのまま下がり、床にフラフープを置くもの。
小人数の場合

ここまでご紹介したゲームは比較的人数が多いケースを想定しています。
1チームのみの場合や少人数の場合はワークショップ形式で行うほうが良いでしょう。
小人数の場合におすすめの手法をご紹介します。
- WIND&ANCHOR:自分がポジティブ、あるいはネガティブになる環境や行動をチームのメンバーに発表するもの。
- Where I’m from ポエム:「私は〇〇から来ました」という形式で、自分について数本ポエムを作り、発表し合うもの。
- チェックイン:自分の今の気持ちを率直に発表し合うもの。
オンラインでできるチームビルディング
働き方の多様化により、「テレワークで業務を進めるメンバーがいる」「全員がテレワークで仕事をしている」といったケースもあります。
チームビルディングは、テレワークのように直接顔を合わせる機会が少ないからこそ、求められる取り組みとも言えます。
下記でご紹介する取り組みはZoomやGoogle Meetなど様々なオンラインツールで実施できます。
- 陽口(ひなたぐち)ワーク:陽口とは陰口の対義語で、その人がいないところで、その人のことを褒める言葉。陽口を言われる本人はウェブカメラをオフ、マイクをミュートにし、他のメンバーが陽口を話す音声だけが聞こえる状態にする。終わったらカメラとマイクを入れ、どう感じたかをメンバーに伝える。
- 共通点探しゲーム:各メンバーが自己紹介をした後、制限時間内に共通項を見つけるゲーム。多く共通項を見つけたチームが勝ち。
このほか、チェックインや条件プレゼン、Where I’m from ポエムもオンラインで実施できる手法になります。
チームビルディングの効果を高めるためポイント

チームビルディングの効果を高めるためには以下のポイントに注意しましょう。
- 適切な目標設定を行う
- 最低限のコミュニケーションの土台があること
- 実務に役立つ学びがある手法を選ぶ
- リーダーがチームを適度にコントロールする
- メンバーの多様性を受け入れる
- チーム編成を工夫する
- バックグラウンドチェックやリファレンスチェックを行う
それぞれについて下記で解説します。
適切な目標設定を行う
チームビルディングでは様々な課題をクリアした成功体験がチームを強くするきっかけになります。
そのため、適切な目標設定が非常に重要です。
目標達成のハードルが高すぎると成功体験を経験できず、モチベーションが低下する可能性があります。
一方、ハードルが低すぎるとチームが一体となって取り組む必要がなくなり、チームビルディングによる成長が見込めなくなってしまいます。
リーダーはチームの現状を分析したうえで、チームの特性やレベルに合った目的を設定することが重要になります。
目標を設定したら、チームビルディングを行う意味と併せてメンバー全員に共有します。
チームビルディングを行う意味や目標を共有しなければ、「ただ遊んでいるだけ」と受け止められる恐れがあります。
目標を共有する際は文字だけでなく、画像や動画などのビジュアルで共有することで、メンバーがイメージしやすくなり、主体的に動きやすくなります。
実務に役立つ学びがある手法を選ぶ
実務に役立つ学びがある手法を選ぶことも重要です。
チームビルディングの手法で得られる学びは、メンバーの意識や行動に変化を与える効果があります。
ゲームやワークショップが終わったら、自分が得た気づきや学びをメンバーと共有する時間を設けると良いでしょう。
リーダーが適度にコントロールする
リーダーは、メンバーに課題を与えて放置するのではなく、丁寧に説明やフォローをすることも重要です。
課題だけ与えて放置されれば、「丸投げされた」「やらされている」と感じるメンバーもいるでしょう。
このような事態を避けるためにも、リーダーが目的や内容を丁寧に説明し、適切なタイミングで進捗状況の確認や課題の調整、適度なフィードバックを行うことが重要です。
また、形成期や混乱期でメンバーのみでは相互理解が深まらないケースもあるでしょう。
このような場合はリーダーが主導権を握り、各メンバーとの信頼関係を築くことも検討しましょう。
具体的にはリーダーと各メンバーとの間で1on1を行い、メンバーの本音を引き出します。
各メンバーから吸い上げた意見を組織活動に活かせば、「自分の意見が組織の向上に役立っている」「意見を主張できる組織である」という認識が生まれ、モチベーションやエンゲージメント向上につながります。
メンバーの多様性を受け入れる

チームビルディングでは、目標達成のために相互に協力できるチーム作りが重要になります。
同じ目標に向かって協力すると言っても、個々の違った意見や価値観を一つにまとめる必要はありません。
他人の考えや意見を変えるのではなく、他人の意見を受け入れ、認め合うことが重要なのです。
メンバー同士が互いを認め合えなければ、チームはうまく機能しません。
このとき、個々のメンバーが様々な意見を受け入れ、認め合えるよう、サポートすることもリーダーの重要な役割になります。
チーム編成を工夫する
前述のとおり、チームビルディングは最低限のコミュニケーションの土台があることが前提になります。
そのため、チームビルディングが円滑に進むようなチーム編成を行う必要があります。
個々のメンバーの特性や性格を分析し、慎重にチームを組んでいきましょう。
バックグラウンドチェックやリファレンスチェックを行う
前述のとおり、チームビルディングでは、個々のメンバーの特性や性格を分析し、円滑に進むようにチームを組むことが欠かせません。
中堅社員や管理職の場合は、メンバーの特性や性格をある程度は把握できるでしょう。
一方、新入社員や若手社員の場合、人材情報が社内にないため、メンバーの特性や性格を正確に把握することは困難です。
この場合、採用応募時の書類や面接での対応から性格や特性を推測してチームを編成するケースがほとんどでしょう。
しかし、本人が主張する能力やスキルに虚偽があれば、チームを適切に組むことができません。
無理にチームを組んでしまうと、相互理解が深まらないばかりか、不信感が生まれ、軋轢が生じる恐れもあります。
チームビルディングの効果を高めるためにも、採用するメンバーの経歴が正しいものかどうかを事前に確認しておきましょう。
採用前に通常の採用活動と併せてバックグラウンドチェックを実施することで、応募者本人の主張する経歴やスキルに虚偽がないかチェックできます。
また、採用前にリファレンスチェックを行えば、応募者の前職での働きぶりやコミュニケーション能力に問題がないかなどを確認できるため、おすすめです。
まとめ
チームビルディングの手法や注意点を解説しました。
組織の力を最大限に発揮するためにも自社に適した手法でチームビルディングを行いましょう。
なお、チームビルディングはチームをメンバーの特性や性格を踏まえて適切に組むことが非常に重要です。
新入社員や若手社員向けにチームビルディングを行う際は、バックグラウンドチェックやリファレンスチェックを実施することで、チーム編成を適切に行うことができ、チームビルディングの効果を高めることにつながります。
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新入社員向け・若手社員向けのチームビルディング導入をご検討の際はぜひご活用ください。