事件に学ぶ採用リスク③大卒なのに高卒と学歴を偽り市職員が懲戒免職
2021.06.09
事件の概要
2021年5月、大卒にも関わらず、受験資格が「高校卒業まで」と限定された労務職の試験を受けて採用された水道局の44歳の技術職員に対し、神戸市は懲戒免職処分としました。
報道によると、この男性は2000年度、大学を卒業しているにも関わらず高卒と偽り職員採用試験を受験して合格、2001年に市の職員として採用されました。
神戸市では、2006年度に職員の学歴詐称が問題となったため、全庁で最終学歴の調査を実施していましたが、その際にもこの男性は虚偽の報告をしていました。
本事案のような応募者の人物像
上記の事案について、「経歴を高く偽ったわけではない」「10年間勤めあげているわけだし、懲戒免職は厳しすぎるのではないか」という意見も散見されます。
しかし、「経歴を低く偽る分には大丈夫」ということにはなりません。「10年間勤めあげた」という点については「10年間嘘をつき続けた」とも言えます。
以上のことから、上記のような応募者は誠実さに欠け、社会良識が乏しい人物であることが伺えます。
採用後に想定されるリスク
上記のような応募者を採用した場合、業務連絡で虚偽報告を行うなど、いい加減な仕事をしたり、社員にハラスメント行為を行ったりする可能性も否定できません。
社員がいい加減な仕事をしたり、ハラスメント行為を行ったりした場合、以下のようなリスクが想定されます。
・苦情やクレームなどの電話対応に追われ、通常の業務ができなくなる
・売り上げが減少する
・風評被害が発生する
・社員の退職連鎖(人的損失)
・ハラスメント被害者から損害賠償を請求される など
このように、従業員の不始末は事業の正常な運営を妨げ、会社経営にとって大きなリスクにつながりかねません。
また、今回の事案では大きな問題は起こりませんでしたが、業務中のトラブルの場合、上記に加えて使用者責任が問われる可能性もあり、より深刻な事態となります。
採用リスクを回避する方法
レキシルはWebの専門手法を活用し、SNSや各種ニュースサイト、データベースなどを調査することで、履歴書や面接だけではわからない応募者の情報や性格、素行などを評価・報告します。
通常の採用基準にレキシルをプラスすることで、トラブルを起こしかねない応募者の入社を防ぎ、採用リスクを回避しやすくなります。
まとめ
平気で嘘をつく・誠実性に欠ける人物は、入社後に大きなトラブルを招く恐れがあります。
今回は大きなトラブルには発展しませんでしたが、業務中のトラブルの場合、より会社への損害が大きくなります。
採用基準に新たな判断軸を加え、リスクを回避することが重要です。