事例に学ぶ採用リスク⑥バイトテロ!厨房でシェイクを舐める動画を拡散
2021.06.14
概要
ピザチェーン「ドミノ・ピザ」の店員によるものと見られる不適切な動画がSNSに投稿され、物議を醸しています。
動画の内容は、店の厨房で店員と見られる男性がシェイクをヘラですくって舐めているというもの。インスタグラムに投稿された13秒ほどの動画の冒頭部分になります。
動画はスマートフォンのカメラで撮ったものと見られ、男性はカメラのほうを向いて笑い、「これ、厳禁で。流出厳禁で」と撮影者に声をかけ、そのままヘラで何度もシェイクをすくって舐め、声を上げて笑い、別の店員が「ツイッターに載せなきゃ。晒さなきゃ」などと突っ込みを入れていました。
ドミノ・ピザジャパンの広報課によると、動画に映っていた男性と投稿者はいずれも店のアルバイト従業員。投稿された動画については「6月4日金曜日の21時頃に店内で撮影されたことを確認した」と回答しています。
「なぜこのような動画を投稿したのか」という問いかけに対して、同社広報課は「『アカウントを鍵付きにしていたため、フォロワーしか見ていないと思って投稿した』と聞いている」と回答しています。
また、今回の件について、次のようにお詫びの言葉を述べています。
「すべての従業員に対し、勤務時間内のSNSへのプライベートな投稿を禁止する情報管理教育を年3回行っていますが、今一度教育の徹底、再発防止に改めて全力で取り組んで参ります。お客様に対して、不快な思いをさせており、誠に申し訳ありません。社内規定に則り、厳正に対処したいと考えています」
学生の場合、在学中のトラブルは履歴書だけではわからない
「厳正に対処したい」という言葉だけではどのように対処するのかわかりません。懲戒解雇される可能性もありますが、注意だけで終わる可能性もあります。
また、今回の報道だけでは、上記の従業員が学生なのか社会人なのかはわかりません。学生アルバイトの場合、在学中のアルバイトは職歴として新卒時の履歴書に書く必要はありません。そのため、面接や履歴書を見るだけでは、応募者が過去に上記のようなトラブルを起こしたことはわかりません。
本事案の従業員の人物像
上記の従業員の発言で注目すべきは「これ、厳禁で。流出厳禁で」「アカウントを鍵付きにしていたため、フォロワーしか見ていないと思って投稿した」というもの。
悪いことをしていることを認識しているにも関わらず、それを行っていることがわかります。
このような行為をしてはいけないのはもちろんですが、「フォロワーしか見ていないと思って投稿した」という発言から、自己中心的で情報リテラシーやモラル、危機管理能力が欠如している人物であることが窺えます。
採用後に想定されるリスク
上記のような応募者を採用した場合、入社後に会社の社章や制服を着用して不適切な動画を撮影したり、社外秘の内容をSNSで拡散したりする可能性も否定できません。
従業員が不適切な動画や社外秘の内容をSNSで拡散した場合、以下のようなリスクが想定されます。
・苦情やクレームなどの電話対応に追われ、通常の業務ができなくなる
・風評被害が発生する
・売り上げが減少する
・閉店や契約解除に追い込まれる
・上場企業の場合は株価が下落 など
このように、従業員の不始末は事業の正常な運営を妨げ、会社経営にとって大きなリスクにつながりかねません。
採用リスクを回避する方法
レキシルはWebの専門手法を活用し、SNSや各種ニュースサイト、データベースなどを調査することで、履歴書や面接だけではわからない応募者の情報や性格、素行などを評価・報告します。
通常の採用基準にレキシルをプラスすることで、トラブルを起こしかねない応募者の入社を防ぎ、採用リスクを回避しやすくなります。
まとめ
今回の事例では会社がどのような対処を行うかわかりません。また、懲戒解雇されたとしても、応募者が学生の場合、在学時のトラブルは履歴書に記載する必要がないため、面接や履歴書だけでは上記のような応募者の入社を防ぐことができません。
SNS全盛の今だからこそ、採用基準に新たな判断軸を加え、リスクを回避することが重要です。